「エルメスの時計って、ちょっと恥ずかしいかも…」そんな声がインターネット上で囁かれているのをご存知ですか?特に高級時計の世界では、専門ブランドと比較されて様々な意見が出がちです。しかし、結論から言えば、エルメスの時計が「恥ずかしい」というのは大きな誤解です。この記事では、なぜそのようなイメージが生まれたのか、そしてエルメスの時計が持つ真の魅力と価値について、客観的なデータや事実を交えながら詳しく解説していきます。
この記事で分かること/結論サマリー
- エルメスの時計が「恥ずかしい」と言われることがある5つの背景
- 他の高級時計と比べて「安い」と感じる理由とその価格構造
- 2025年の価格改定を踏まえた最新の定価と中古市場の相場
- エルメス時計が似合う年齢層や、男女別の人気モデル、愛用している芸能人の実例
- 安心して購入するための偽物を見分けるポイント
「恥ずかしい」と言われる5つの理由

なぜ一部で「エルメスの時計は恥ずかしい」という声が聞かれるのでしょうか?その背景には、いくつかの誤解やイメージが複合的に絡み合っているようです。
時計専業ブランドではない=格付けが低い?
エルメスは馬具工房から始まった総合ラグジュアリーブランドであり、時計専門メーカーではありません。そのため、一部の時計愛好家からは「専門外」「格付けが低い」と見なされることがあります。しかし、これは一面的な見方です。エルメスは時計製造においても長い歴史と高い技術力を持ち、特にレディースウォッチの分野では高く評価されています。ある格付けランキングでは、レディース部門でカルティエ、ロレックスに次ぐ3位にランクインしています。ファッション性と品質を両立したエルメス独自の立ち位置を理解することが重要です。
価格が比較的安い→「偽物?」と思われやすい
エルメスの時計、特に中古市場で人気のあった「クリッパー」などは、他の高級時計ブランドと比較すると手頃な価格帯で見つかることがあります。例えば、廃盤となったクリッパーの中古品は7万円~15万円程度で流通していることもあり、この価格設定が「安価=品質が低いのでは?」「もしかして偽物?」といった疑念を生む一因となっているようです。
汎用クォーツが多い/ムーブメント神話
かつてエルメスの一部のモデルでは、ETA社などの汎用ムーブメント(時計の心臓部)が採用されていました。 これが「コストを抑えている」「時計としてのこだわりが薄い」といった批判につながることがありました。しかし、これはあくまで過去の話。近年エルメスは自社製ムーブメントの開発にも力を入れており、「エルメスH08」や「アルソー」コレクションの一部モデルなど、技術的にも高い評価を受ける機械式時計を多数発表しています。デザインだけでなく、時計内部の機構にもエルメスの哲学が反映されています。
廃盤モデル〈クリッパー〉の古臭いイメージ
1981年に登場し、長年人気を博した「クリッパー」は2018年に生産終了となりました。このモデルは、帆船の舷窓(げんそう)をモチーフにしたデザインが特徴でしたが、一部ではそのデザインが「時代遅れ」「古臭い」と感じられることもあるようです。 しかし、クリッパーは今でも根強い人気があり、中古市場では定番モデルとして取引されています。
SNSで拡散した「ダサい」口コミ
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトや個人のブログ、SNSなどで「エルメスの時計はなぜバカにされる?」「ダサい?」といった投稿が話題となり、ネガティブなイメージが拡散されるケースも見られます。特に匿名性の高いネット空間では、一部の意見が増幅されやすい傾向があります。
それでも選ばれる!エルメス時計5つの魅力

「恥ずかしい」という声がある一方で、エルメスの時計が多くの人に選ばれ、愛され続けるのには確かな理由があります。その魅力を5つのポイントから見ていきましょう。
レザーとデザインの完成度(スカーフ色展開)
エルメスといえば、やはり最高品質のレザーです。馬具製作から始まったブランドならではの卓越した革加工技術は、時計のストラップにも活かされています。豊富なカラーバリエーションとしなやかな着け心地は、他のブランドにはない大きな魅力です。まるでスカーフを選ぶように、その日の気分やファッションに合わせてストラップを「着替える」楽しみを提供してくれます。ケースデザインも、「Hウォッチ」のH型、「ケープコッド」のシェーヌダンクル(錨の鎖)モチーフなど、エルメスならではのアイコニックで洗練されたものが揃っています。
自社ムーブメント開発とH08/スリムの高評価
前述の通り、エルメスは近年、時計の心臓部であるムーブメントの自社開発・製造に力を入れています。2021年に発表されたメンズウォッチ「エルメスH08」は、スポーティでありながら都会的なデザインと、自社製ムーブメントH1837を搭載し、高い評価を得ています。 また、「スリム ドゥ エルメス」のような薄型ドレスウォッチや、「アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ」のような複雑機構を持つモデルも展開しており、時計製造技術の高さを証明しています。2025年の新作では、時を一時停止できる「タンシュスポンデュ」機構を搭載したモデルも登場し、話題を集めています。
レディース人気と30〜50代の年齢層
エルメスの時計は、特に30代から50代の女性を中心に、幅広い年齢層から支持されています。 上質で洗練されたデザインは、ビジネスシーンからプライベートまで活躍し、大人の女性の手元をエレガントに彩ります。ブランドの信頼性やステータス感も、この年齢層に響くポイントです。 近年では、Hウォッチなどを中心に20代後半の若い世代にも人気が広がっています。
メンズモデルも豊富:アルソー/ケープコッド
レディースのイメージが強いかもしれませんが、エルメスには魅力的なメンズウォッチも豊富にラインナップされています。1978年に誕生した「アルソー」は、馬具のあぶみをモチーフにしたラグデザインが特徴的な、エレガントでクラシカルなコレクションです。「ケープコッド」は、シェーヌダンクルから着想を得たケースデザインがユニークで、スタイリッシュな印象を与えます。前述の「エルメスH08」も加わり、男性の時計選びの選択肢としても非常に魅力的です。
芸能人愛用モデル(小倉優子・蛯原友里 ほか)
多くの芸能人や有名人もエルメスの時計を愛用しています。例えば、タレントの小倉優子さんは「クリッパー」を、モデルの蛯原友里さんは「ギャロップ ドゥ エルメス」を着用していることが知られています。海外では、女優のクリスティン・ダンストさんや歌手のマドンナさんが「ケープコッド」を愛用。男性では、お笑い芸人の内村光良さんが「ケープコッド」を着用している姿が見られます。こうした著名人の愛用例も、エルメスの時計の魅力と人気の高さを物語っています。
価格帯と「なぜ安い」の真相
エルメスの時計の価格は、モデルや素材によって幅広く設定されています。「安い」と感じられることがある背景と、実際の価格帯を見ていきましょう。
新品定価(2025年2月改定後)一覧
エルメスは近年、価格改定を頻繁に行っており、全体的に値上がり傾向にあります。 2025年2月1日にも価格改定が行われました。以下は、代表的なモデルの2025年2月改定後の日本国内定価(税込)の一例です。
モデル | 新定価(2025年2月~) | 中古相場(目安) | 備考 |
---|---|---|---|
Hウォッチ ミニ (21mm, SS, クォーツ) | 約 541,200円 | 18万円~40万円 | 2025年2月に約9-15%値上げ |
クリッパー (廃盤, SS, クォーツ) | – | 7万円~15万円 | 中古市場での流通が中心 |
エルメス H08 (チタン, 自動巻き) | 約 103万円~120万円 | 80万円~100万円 | 2025年新作も登場 |
ケープコッド PM (SS, クォーツ) | 約 452,100円 | 20万円~ | 2025年2月に約14%値上げ |
※中古相場は状態や年式により大きく変動します。
「なぜ安い」と感じるのか?
エルメスの時計が他の超高級時計ブランド(パテックフィリップなど)と比較して「安い」と感じられる主な理由は以下の2点です。
- ステンレススチール製やクォーツ式モデルの比率が高い: 金無垢や複雑機構を持つ機械式時計が中心のブランドに比べ、比較的手に取りやすい価格帯のモデルが多くラインナップされています。
- バッグの価格イメージとのギャップ: バーキンやケリーといった数百万円するバッグのイメージが強いため、数十万円から購入できる時計が相対的に「安く」感じられることがあります。
しかし、これはあくまで比較上の話であり、エルメスの時計が決して安価なわけではありません。むしろ、近年の度重なる値上げにより、その価値は上昇傾向にあります。
中古相場とクリッパー7万円〜の理由
廃盤となったクリッパーが中古市場で7万円程度から見つかることがあるのは、流通量が多かったことや、クォーツモデルが中心であったことなどが理由として考えられます。ただし、状態の良いものや希少なモデルは高値で取引されています。
Hウォッチの値上げと投資性
代表モデルであるHウォッチは、2024年から2025年にかけても値上げが続いており、ミニサイズでも定価50万円を超える価格帯になりました。 この値上げ傾向は、ブランド価値の維持・向上戦略の表れであり、新品・中古ともに資産価値が安定、あるいは上昇する可能性を示唆しています。早めの購入が結果的に得策となる可能性も考えられます。
エルメス時計の格付けと他ブランド比較

時計ブランドの「格付け」は、評価基準によって様々な見方がありますが、エルメスの立ち位置を確認してみましょう。
多くの格付けサイトや評価を見ると、エルメスは「高級時計ブランド」のカテゴリーに含まれます。 特にレディースウォッチにおいては評価が高く、カルティエやロレックスと並んでトップクラスに位置づけられることもあります。一方で、時計専門誌などによる機械式時計中心の評価や、歴史・技術力を重視する格付けでは、パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンといった「雲上ブランド」や、ロレックス、オメガ、IWCといった専門メーカーと比較されると、やや下のランクとされることもあります。
重要なのは、エルメスが単なる時計ブランドではなく、ファッションやライフスタイル全体を提案するメゾンであるという点です。そのため、時計のデザイン性や素材(特にレザー)、ブランドの世界観といった要素が強く評価されます。技術力においても自社ムーブメント開発を進めるなど進化を続けており、「ファッションウォッチ」と一括りにするのは適切ではありません。
どのブランドを選ぶかは、何を重視するか(技術力、歴史、デザイン、ステータス、資産価値など)によって異なります。エルメスは、特にデザイン性、上質な素材感、ブランドイメージを重視する層にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
男女別・シーン別おすすめモデル10選
ここでは、様々なシーンに合わせて選びたいエルメスの代表的な人気モデルを男女別にご紹介します。
シーン | レディース おすすめモデル | メンズ おすすめモデル |
---|---|---|
ビジネス | Hウォッチ PM (知的で洗練された印象) | エルメス H08 (モダンでスポーティ、スーツにも合う) |
カジュアル | ケープコッド ドゥブルトゥール (二重巻きストラップがお洒落) | アルソー 40mm (クラシックながら遊び心のあるデザイン) |
フォーマル | ケリーウォッチ (エレガントでジュエリーライク) | スリム ドゥ エルメス (薄型でドレッシー) |
ファーストエルメス | Hウォッチ ミニ (アイコニックで比較的手頃) | Hウォッチ MM (男女兼用も可能なサイズ感) |
個性派・こだわり派 | ナンタケット (シェーヌダンクルモチーフの長方形ケース) | アルソー タンシュスポンデュ (時を止める複雑機構) |
偽造品を避けるチェックポイントと賢い購入方法
残念ながら、人気ブランドであるエルメスには偽造品も存在します。安心して本物を手に入れるために、以下の点に注意しましょう。
- 正規販売店での購入: 最も確実なのは、エルメスのブティックや公式オンラインストアで購入することです。
- 信頼できる中古販売店の利用: 中古品を購入する場合は、 reputable な専門店を選びましょう。真贋鑑定を行っているか、返品保証があるかなどを確認することが重要です。
- シリアルナンバーの確認: 時計の裏蓋には通常、固有のシリアルナンバーが刻印されています。
- 保証書の確認: 近年のモデルには、QRコードやホログラムなどが付いた新しい形式の保証書が付属しています。
- ストラップ裏の刻印: レザーストラップの裏には、製造年を示すアルファベット(例:Z刻印=2021年)や素材を示すマークが刻印されている場合があります。
- 価格が極端に安いものは避ける: 相場からかけ離れた価格のものは偽造品の可能性が高いです。
- 細部の仕上げを確認: 本物は針やインデックス、ケースのエッジなどの仕上げが非常に丁寧です。不自然な点がないかよく観察しましょう。
少しでも不安を感じたら、購入を控えるか、専門家(買取店など)に相談することをおすすめします。
まとめ:恥ずかしいかどうかは“文脈と理解”で決まる

エルメスの時計が「恥ずかしい」と感じられることがあるのは、時計専門ブランドとの比較や、バッグの強いイメージ、一部のネガティブな情報拡散といった「情報の非対称性」や「文脈の誤解」が主な原因と言えます。
しかし、実際にはエルメスは長い時計製造の歴史を持ち、最高品質の素材(特にレザー)と洗練されたデザイン、そして近年では自社製ムーブメントの開発にも注力するなど、独自の価値を持つ高級時計ブランドです。 レディースウォッチにおいてはトップクラスの人気と評価を得ており、メンズウォッチも魅力的なモデルが揃っています。
大切なのは、表面的な評判や一部の声に惑わされず、ブランドの歴史や哲学、製品の品質やデザインを正しく理解することです。エルメスの時計は、その価値を理解し、自信を持って身に着ける人にとっては、決して恥ずかしいものではなく、むしろ持つ人の個性やセンスを引き立てる素晴らしいアイテムとなるでしょう。
値上げが続く状況を考えると、もし購入を検討しているのであれば、タイミングを見極めることも重要かもしれません。