タフネスウォッチの代名詞として、世界中で愛用されるG-SHOCK。その魅力は高い耐衝撃性能や防水性能にありますが、長く使い続けるためには「電池」に関する知識も欠かせません。「G-SHOCKの電池って、実際のところ何年くらい持つの?」「電池が切れたら、どこで交換すればいいの?費用は?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、G-SHOCKの電池寿命に関するあらゆる情報を網羅的に解説します。標準モデルの平均的な電池寿命から、長寿命で知られる「10年電池」モデルのメリット、さらには気になる電池交換の場所、料金、即日対応の可否、ソーラーモデルの電池交換に至るまで、G-SHOCKユーザーが知りたい情報を徹底的にまとめました。この記事を読めば、あなたのG-SHOCKをより長く、安心して愛用するための知識がきっと手に入ります。
この記事のポイント
- G-SHOCKの電池寿命はモデルによって異なり、標準モデルで約2~5年、10年電池モデルでは約7~10年が目安です。
- 電池切れが近づくと、バックライトの暗さ、液晶表示の薄さ、秒針の飛びなど、特有の症状や予兆が現れます。
- 電池交換はカシオの正規サービスセンター、家電量販店、時計専門店、ホームセンターなどで可能ですが、防水性能維持のためには防水検査が推奨されます。
- 電池交換の料金は依頼先やモデルによって異なり、1,500円程度から6,600円以上かかる場合もあります。
- タフソーラーモデルも二次電池の寿命があり、約7~10年で交換が必要になることがあります。
そもそもG-SHOCKの電池は何年持つ?【結論:2〜10年】

G-SHOCKの電池寿命は、搭載されている電池の種類や時計の機能、そして使い方によって大きく変わります。一般的なボタン電池(例:CR2016、SR927Wなど)を使用しているアナログ・デジタルモデルの場合、平均して2年から5年程度が目安とされています。一方で、「10年電池」を謳う長寿命モデルでは、その名の通り約7年から10年と、大幅に長い期間、電池交換なしで使用できることが期待できます。
この電池寿命の差を生む主な要因は以下の3点です。
- 大容量電池の採用: 10年電池モデルでは、CR2025やCR2032といった、より容量の大きな電池が使われていることが多いです。
- 省電力モジュールの進化: 時計内部の機械(モジュール)に搭載されるICの効率が向上し、消費電力が抑えられています。
- 機能使用の最適化: 特にバックライトやアラームなどの電力消費が大きい機能について、使用時間や頻度を考慮した設計がなされています。
POINT:これらの公称寿命はあくまで目安です。実際には、バックライトやアラームの使用頻度、Bluetoothなどの通信機能の利用状況、さらには周囲の温度環境(特に極端な低温下では電池性能が低下しやすい)によって、電池の消耗具合は変動します。
標準モデルの電池寿命は2〜5年
多くのG-SHOCKに搭載されている標準的なボタン電池の場合、その寿命は約2年から5年とされています。例えば、毎日アラームを使用し、日に何度もバックライトを点灯させるようなヘビーな使い方をすれば、2年程度で電池が切れることもあります。逆に、時刻確認がメインで、他の機能はあまり使わないという方であれば、5年近く持つことも珍しくありません。また、時計の機能が多いモデルや、センサーを搭載したモデルは、シンプルなモデルに比べて電池の消耗が早い傾向にあります。ご自身のG-SHOCKの使用状況を振り返り、おおよその交換時期を予測しておくと良いでしょう。
10年電池モデルとは?長寿命のメカニズム
「10年電池」や「ロングライフバッテリー」を搭載したG-SHOCKモデルは、その名の通り約10年間の長期間にわたり電池交換の手間を省ける大きなメリットがあります。この長寿命を実現している主な要因は、CR2025やCR2032といった比較的大型のコイン型リチウム電池の採用です。これらの電池は、従来の小型電池よりも物理的に多くの電力を蓄えることができます。さらに、時計の心臓部であるモジュールに搭載されたIC(集積回路)の省電力化も重要なポイントです。低消費電流で動作するICを使用することで、時計全体のエネルギー効率を高め、電池の持ちを飛躍的に向上させています。これらの技術の組み合わせにより、10年という長期間の駆動が可能になっているのです。
タフソーラーの二次電池寿命と交換可否
太陽光や蛍光灯の光で発電し、その電力を二次電池(充電池)に蓄えて駆動する「タフソーラー」モデル。電池交換の手間が少ないイメージがありますが、この二次電池も永久に使えるわけではありません。一般的に、タフソーラーモデルの二次電池の寿命は約7年から10年程度と言われています。使用環境や充電の頻度によって劣化の進み具合は変わりますが、長年使用していると「充電してもすぐに電池残量が減る」「表示がCHG(充電警告)のままになる」といった症状が現れることがあります。このような場合は、二次電池の交換が必要です。二次電池の交換は、カシオの公式修理サービスセンターで受け付けており、専門の技術者による交換と防水検査が行われます。「ソーラーだから電池交換は不要」というわけではない点を理解しておきましょう。
電池切れの症状・予兆5選

G-SHOCKの電池が切れそうになると、いくつかのサインが現れます。これらの症状に気づいたら、早めの電池交換を検討しましょう。
- バックライトが極端に暗い、または点灯しない:ボタンを押してもバックライトが以前より明らかに暗かったり、全く点灯しなくなったりするのは、電池残量低下の典型的なサインです。
- 液晶ディスプレイの表示が薄くなる、または一部が消える:デジタル表示の数字や文字がかすれて見えにくくなったり、コントラストが低下したりします。症状が進行すると、表示の一部が欠けることもあります。
- アナログモデルの秒針が2秒または4秒運針になる:電池の消耗を抑えるために、秒針が1秒ごとではなく、2秒ごと、あるいは4秒ごとにジャンプするように動く「EOL(End Of Life)機能」が作動することがあります。
- アラーム音や操作音が小さい、または鳴らない:設定した時刻になってもアラームが鳴らなかったり、音が極端に小さくなったりする場合も電池残量不足が考えられます。ボタン操作音も同様です。
- 「CHG(CHARGE)」や「BATTERY LOW」、「BATT」などの警告表示が出る:ソーラーモデルや一部の高機能モデルでは、電池残量が低下すると液晶画面に専用のインジケーターや警告メッセージが表示されます。
これらの症状が出たまま放置すると、電池から液漏れが発生し、時計内部の精密な機械(ムーブメント)や回路基板を腐食させてしまう危険性があります。最悪の場合、修理不能となり、時計自体が使えなくなってしまうことも。予兆を感じたら、速やかに電池交換を行いましょう。
電池寿命を延ばす5つのコツ

G-SHOCKの電池を少しでも長持ちさせるためには、日頃の使い方に少し工夫をするのが効果的です。
- バックライトの使用を控えめにする:バックライトは電池消費が大きい機能の一つです。特に設定で点灯時間を調整できるモデルの場合、初期設定の3秒から「1.5秒」など短い時間に設定を変更するだけでも、電池の持ちは変わってきます。暗所での視認性は重要ですが、必要以上に多用しないよう心がけましょう。
- 不要なアラームや時報(シグナル)をOFFにする:毎日決まった時間に鳴るデイリーアラームや、毎正時に鳴る時報機能は便利ですが、使用していないのであればOFFに設定しておきましょう。小さなことですが、積み重ねで電池消費を抑えられます。
- 極端な低温環境での使用・保管を避ける:電池は化学反応によって電力を供給しますが、低温環境下ではその化学反応が鈍くなり、一時的に電圧が低下したり、電池の消耗が早まったりすることがあります。スキー場など寒い場所で長時間使用する場合は、衣服の袖で覆うなどして時計本体を冷やしすぎない工夫も有効です。
- 使用しないときは基本的な時刻表示モードにしておく:ストップウォッチやタイマー、ワールドタイムなど、多機能なG-SHOCKですが、これらの機能を長時間起動させたままにすると、時刻表示モードよりも電池を消費する場合があります。使用後は基本的なタイムキーピングモードに戻す習慣をつけましょう。
- タフソーラーモデルは定期的に光に当てて充電する:タフソーラーモデルの場合、二次電池の性能を維持するためにも、月に1回程度は窓際などで太陽光に5〜6時間当てて十分に充電することが推奨されます。長期間光の当たらない場所に保管すると、過放電状態になり二次電池の寿命を縮める原因になります。
これらのちょっとした心がけで、G-SHOCKの電池寿命を最大限に活用しましょう。
電池交換はどこでできる?場所別比較
G-SHOCKの電池交換は、いくつかの場所で依頼することができます。それぞれのメリット・デメリット、料金目安、納期などを比較検討し、ご自身に合った方法を選びましょう。
場所 | 料金目安 | 納期 | 防水検査 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
CASIO正規サービス | 3,300円~5,500円程度 | 1週間~2週間程度 | ◎ | 防水性能保証、純正パーツ使用、専門技術者による作業の安心感 | 日数がかかる場合がある、費用が比較的高め |
家電量販店(ヤマダ電機など) | 2,200円~3,300円程度 | 即日~数日 | △ | 全国に店舗がありアクセスしやすい、ポイントが使える場合も | 店舗により技術力に差、防水検査なしの場合やパッキン交換なしの場合あり |
ホームセンター | 1,500円~2,500円程度 | 即日~数日 | × | 近所で手軽に依頼できる、比較的安価 | 防水検査は基本的に不可、専門知識が低い場合も |
時計専門店 | 2,500円~4,000円程度 | 即日~数日 | ○/△ | 高い技術力を持つ店舗が多い、防水検査対応店もある | 店舗によって料金や対応に差がある、探す手間がかかる |
自分で交換(セルフ) | 500円~1,000円程度(電池代実費) | 即時 | × | 最も安価、DIYの満足感 | 防水性能低下のリスク大、作業失敗による基板破損の危険性、専用工具が必要 |
即日交換できる店は?
「今日中にG-SHOCKの電池を交換したい!」というニーズに応えてくれる場所もあります。
- 家電量販店の時計コーナー:ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラといった大型家電量販店の時計修理コーナーでは、G-SHOCKの電池交換に即日対応してくれる場合があります。ただし、店舗の混雑状況や時計のモデルによっては預かりになることもありますので、事前に問い合わせるのが確実です。
- ショッピングモール内の時計店:イオンモールなどに入っている「THE CLOCK HOUSE(ザ・クロックハウス)」のような時計専門チェーン店でも、即日での電池交換サービスを行っていることが多いです。こちらも、店舗によって対応状況が異なるため、確認をおすすめします。
これらの店舗では、比較的スピーディーに交換作業をしてもらえますが、防水検査までは行わない場合が多い点に注意が必要です。
防水検査込みで頼むべき理由
G-SHOCKの大きな特徴の一つである高い防水性能。この性能を維持するためには、電池交換時の取り扱いに注意が必要です。G-SHOCKの裏蓋は、本体との間にゴム製のリング(パッキン)を挟み込み、ネジで圧着することで水の浸入を防いでいます。
電池交換のために一度裏蓋を開けると、このパッキンがわずかに変形したり、ゴミが付着したりする可能性があります。そのまま元に戻しただけでは、本来の防水性能が損なわれてしまうことがあるのです。
そのため、特にダイビングなどで使用するフロッグマンのような高い防水性が求められるモデルや、長く安心して使いたい場合は、パッキンの交換と防水テスト(加圧検査)をセットで行ってくれるカシオの正規サービスや、防水検査に対応している一部の時計専門店に依頼するのが最も安心です。正規サービスでは、専用の圧着工具やトルクレンチを使用し、適切な力で裏蓋を閉め、その後、専用機器で防水テストを実施してくれます。これにより、電池交換後もG-SHOCK本来のタフネスを維持できるのです。費用は少し高くなりますが、G-SHOCKの性能を最大限に保つためには重要な工程と言えるでしょう。
電池交換の料金相場【早見表】

G-SHOCKの電池交換にかかる費用は、依頼する場所や時計のモデルによって変動します。おおよその目安は以下の通りです。
- 標準的なデジタル・アナログモデル(例:DW-5600、GA-100など):
- カシオ正規サービス:約3,300円~
- 家電量販店・時計専門店:約2,200円~3,300円程度
- ホームセンター:約1,500円~2,500円程度
- タフソーラーモデル(二次電池交換):
- カシオ正規サービス:約4,400円~6,600円程度(防水検査込み)
- ※タフソーラーの二次電池交換は、基本的にメーカー対応となります。
- FROGMAN(フロッグマン)など特殊なプロフェッショナルライン:
- カシオ正規サービス:約6,600円~(特殊構造のため、専用の作業が必要)
- ※これらのモデルもメーカー対応が推奨されます。
節約TIP:G-SHOCKを購入した際の保証期間内(通常1年間、一部延長保証あり)であれば、自然故障による電池切れ(購入後すぐ切れたなど、明らかに初期不良が疑われる場合)は無償で交換してもらえるケースがあります。まずは保証書を確認してみましょう。ただし、通常の電池消耗は保証対象外となることが一般的です。
よくある質問(FAQ)

G-SHOCKの電池寿命や交換に関して、多くの方が疑問に思う点をまとめました。
Q. G-SHOCKの電池残量を示すインジケーターは、すべてのモデルに付いていますか?
A. いいえ、すべてのモデルに搭載されているわけではありません。電池残量インジケーター(バッテリーレベル表示)は、比較的新しいソーラー充電モデルや一部の高機能デジタルモデルに主に搭載されています。非搭載のモデルの場合は、前述した「電池切れの症状・予兆5選」(液晶表示の薄さ、バックライトの暗さ、アナログモデルの秒針ジャンプなど)が電池交換時期の目安となります。
Q. 海外で購入したG-SHOCKや並行輸入品でも、日本国内で電池交換できますか?
A. はい、基本的には可能です。カシオの正規サービスセンターであれば、国内正規品・海外モデルを問わず修理や電池交換を受け付けています。ただし、日本未発売の特殊なモデルや、部品の在庫状況によっては、通常よりも納期が長くかかったり、対応できないケースも稀にありますので、事前にサービスセンターに確認することをおすすめします。
Q. 「10年電池」搭載モデルでも、5年程度で電池が切れてしまうことはありますか?
A. はい、使い方によってはあり得ます。公称されている「10年」という寿命は、あくまで一定の条件下での目安です。例えば、極端な高温や低温が繰り返される過酷な環境での使用、アラームやバックライトの頻繁な使用、Bluetooth機能などの通信機能を多用した場合などは、電池の消耗が早まり、公称寿命よりも短くなることがあります。
まとめ|最長10年使うために今日できること
G-SHOCKの電池寿命は、モデル選びと日頃の使い方が大きく影響します。少しでも長く、安心してG-SHOCKを愛用するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- モデル選びのポイント:これからG-SHOCKの購入を検討しているなら、長寿命を重視するなら「10年電池」搭載モデルや、定期的な光充電で駆動する「タフソーラー」モデルがおすすめです。ご自身のライフスタイルや使用頻度に合わせて選びましょう。
- 日常的なケアで寿命を延ばす:バックライトやアラーム機能は便利ですが、使い過ぎは電池消耗を早めます。不要な時は機能をOFFにする、タフソーラーモデルは定期的に光に当てるなど、ちょっとした心がけが大切です。
- 電池交換のタイミングと依頼先の選定:液晶表示が薄くなったり、バックライトが暗くなったりといった電池切れのサインを見逃さず、早めに交換しましょう。その際、G-SHOCKの防水性能を維持するためには、カシオの正規サービスセンターや防水検査に対応した時計専門店への依頼が最も安心です。
G-SHOCKはタフな時計ですが、電池という消耗品がある以上、いつかは交換が必要です。正しい知識を持って適切に対応することで、お気に入りのG-SHOCKを末永く愛用し続けることができます。この記事が、皆さんのG-SHOCKライフの一助となれば幸いです。